配給 松竹
公開 1988年9月15日
上映時間 110分
製作国 日本
言語 日本語
監督 大林宣彦
脚本 市川森一
製作 杉崎重美
音楽 篠崎正嗣
キャスト
原田英雄:風間杜夫、中山吉浩(少年期)
原田英吉:片岡鶴太郎
原田房子:秋吉久美子
藤野桂:名取裕子
間宮一郎:永島敏行
今村綾子:入江若葉(声のみ)
TVドラマのキャスト:竹内力、峰岸徹、入江若葉
落語家:桂米丸、柳家さん吉
タクシー運転手:ベンガル
川田淳子:川田あつ子
歯科医:笹野高史
八つ目うなぎ屋の親爺:本多猪四郎
今半の仲居:角替和枝
壮年の人気シナリオライターの原田は妻子と別れ、マンションに一人暮らし。ある晩、若いケイという女性が飲みかけのシャンパンを手に部屋を訪ねてきた。「飲みきれないから」という同じマンションの住人である彼女を冷たく追い返す。数日後、原田は幼い頃に住んでいた浅草で、彼が12歳のときに交通事故死した両親に出会う。原田は早くに死に別れた両親が懐かしく、少年だった頃のように両親の元へ通い出す。
しかし二つの出会いと共に、原田の身体はみるみる衰弱していく。ケイもまたあの日にチーズナイフで自殺していたのだった。「たとえ妖怪、バケモノでもかまわない。あの楽しさ、嬉しさは忘れられない」というが、別れの時がくる。最後は浅草の今半別館ですき焼きを食べることになるが、「たくさん食べてよ」というのに両親は微笑むだけ。
大林宣彦の手法がふんだんに発揮できるはず題材だが、その色は薄い。
幽霊や亡霊が出てきて、ホラー的描写もあるが、恐怖感はなく、どこか懐かしく郷愁を誘われるファンタジー・ホラーに仕上がっている。