正楽寺の創建は室町時代に遡ると云われ、慶長12年(1607)の伊達政宗の仙台開府後に、現在の名取市笠島付近から日辺北原へ移った。
正楽寺の本堂と山門は古建築として大変貴重なもので、案内板によると「本堂は、宝暦5年(1708)春の大火による焼失後享保5年(1720)に落成。その構造は桟瓦(一部本瓦)萱入母屋造の屋根を有する間口、奥行とも十二間四方で内部は板敷の内陣と畳敷の下陣とにわかれている。特に畳敷の外陣は広大で、浄土真宗仏堂の特徴が示されている。山門は寛保2年(1742)の建築。桟瓦葺切妻造の屋根を有する三間一戸の楼門形式の八脚門で、元来二階部分は鐘楼となっていた。仙台では藩政時代から今日に至るまで、数回にわたり寺町が大火にみまわれていることもあって、この本堂と山門はそれらをくぐり抜けなお現存している点で貴重である。」とある。
以上の理由から平成7年に仙台市登録有形文化財に指定されています。又、山門は伊達政宗が隠居所としていた若林城大手門の遺構との伝承も残りますが、前述の年号とは異なる為、真意は分かりません。