第7話. SOS富士山
脚本 金城哲夫、千束北男
特技監督 的場徹
監督 飯島敏宏
登場怪獣
岩石怪獣ゴルゴス(身長:40メートル、体重:10万トン)
富士山附近の湖の水温が急激に高くなり、富士山噴火の報がながれた。
そこで由利子は一平とともに、富士山にくわしい火山研究所の技官、早川のもとへ確かめに急いだ。
早川の話だと、やはり予断をゆるさないと云う。
その頃、吉野部落近くの池から、大噴水とともに巨大な岩石が舞い上った。
その岩石は、まるで生き物のように呼吸していた。そして散らばった岩のかけらが、まるで核融合するように岩石に吸いよせられて、元の型に復元していった。
その岩石怪獣は、近くにいるタケルに向って動き出した。
樹海を猛り狂う岩石怪獣ゴルゴスに、タケルは単身で立ち向うがはねとばされてしまう。タケルの身を案じて、樹海に入った淳たちは巨大な岩と戦うタケルの姿を見てボウ然とした。
ゴルゴスの鳴き声は、お馴染みゴジラの流用です。
ゴルゴスの造形も岩の塊のようでイマイチだ。
劇中登場するタケル…いい歳こいて自然児って…何考えてるんだか?
1人怪獣に立ち向かって行くのだが、そんなことできるかい!
余りにも滑稽でどうしようもない。
ゴルゴスに立ち向かう際、警官の拳銃を奪うわけだが、現実問題怪獣の前に、お前が射殺されかねない問題だろ!
第8話. 甘い蜜の恐怖
脚本 金城哲夫
特技監督 川上景司
監督 梶田興治
登場怪獣
モグラ怪獣 モングラー(身長:50メートル、体重:2万トン)
一平にセスナの操縦訓練をしてやっていた淳は、急に地表が盛り上り、その小山に貨物列車が乗りあげて転覆するのを目撃した。
そして数日後、淳、由利子、一平の三人は、一の谷博士に連れられて博士の友人、長谷川場長の農事試験場をおとずれた。
その時、淳は場長からラゼリー・B・ワンという、生物を巨大に成長させる液体を見せてもらった。それは女王蜂のローヤル・ゼリーの、幾十倍の効力を持っているというのだ。
女王蜂のサナギを襲ったのがモグラだった。
しかも、誰かが故意にモグラを入れたことが判明したのだ……。
またまたトホホな怪獣。
それもモグラ。
正確には怪獣ではなく突然変異だ。
この作品も巨大化シリーズが好きだな。
なんの捻りもなくアイディアもいらない、お手軽な作品だ。
もっとも巨大化動物は日本だけではなく、海外映画でもB級作品で度々使われる安易なアイディアだ。
このエピソードには次作ウルトラマンのハヤタの黒部進が出演している。
第9話. くも男爵
脚本 金城哲夫
特技監督 小泉一
監督 円谷一
登場怪獣
大グモ タランチュラ(身長:2.5メートル、体重:120キログラム)
パーティの帰り道、道に迷った万丈目達は付近を探索中、一平の叫び声に沼にかけより救出した。
その時、沼の向う側に灯を発見し、淳たちは渡りに船と、沼をつないだ丸木の上を、おっかなびっくり灯のついた館に向う。
だが、その洋館の中は何十年間も放置され、人の住んでる気配がないぐらい荒れていた。
階上の方へ淳が行ってみると、そこに巨大なくもがおり突然淳にせまって来たのである。
驚いて階投を転がりおりた淳は、九十年前いたという蜘蛛男爵の館みたいだと、青白な顔でもらす。
その頃、地下の酒倉にいっていた葉山は、例の巨大なくもに襲われ傷ついた。
淳たちは、はじめてここがくも男爵の館であることに気づき、さっそく不気味な館から逃げ出そうとする。
しかし、いつの間にか、沼に渡してあった丸木が沈んで、底無し沼を脱出できなくなっていた。しかも、大蜘蛛が淳たちの後を追って来たのだ。
90年前にクモ愛好家の男爵と娘が欧州から持ち帰った毒蜘蛛タランテラに刺されて命を落とし、タランテラに変貌したらしい、とされている。
今回登場するのも大蜘蛛だ。
しかし今までのように何らかの原因で突然変異したものではなく、人間が変身したもので趣が違う。
このシリーズはコメディなものが多いが、このエピソードはコメディな部分は一切なく不気味で当時の子供達を怖がらせたに違いない。
このエピソードには007やゴジラシリーズでお馴染みの若林映子が出演している。
映画女優だけあり美しさは飛び抜けている。
第10話「地底超特急西へ」
脚本 山浦弘靖、千束北男
特技監督 的場徹
監督 飯島敏宏
登場怪獣
人工生命M1号
世界最後の超特急とも云われる最高速列車、いなづま号の公開試運転が報道開係者招待で行われることになった。
一平は試乗したい一心から、由利子のあとを追い発車駅にかけつけたが、トランクを間違えて、人工生命M1号の入った方を持ち込んでしまったのである。
この人工生命M1号は、小さな高圧ボンベに押し込まれているが、普通の気圧にふれると細胞分裂を起して、巨大な生物になってしまうのだ。
知脳指数は人間程度あるという。
記者のひとりが、人工生命M1号をフラッシュ撮影したことから、しばらくして人工生命M1号が変動しはじめた。
M1号は次第に大きくなり、頭部は猿のような感じで、下半身は哺乳類と違った姿を現わした。
そのM1号が、運転席に入り込んで列車の人工頭脳を破壊し、非常制動も使用不可能にしてしまった。
時速数百キロで走るいなづま号は、試乗者をのせたまま、とどまることを知らずに突っ走っていく……。
ガッツ石松に瓜二つのバカヅラのゴリラが登場。
このM1号も人気があり「私はカモメ」と言うセリフと共に記憶に残ってしまう程印象深い。
地底超特急は新東京駅という架空の駅から出発。
試運転で招待客だけの試乗に関わらずチェックはなく誰でも乗れる状況に唖然とする。
子供騙しもいいところだ。
操縦不能になり最後は車止めにぶつかり爆発炎上するのだが、M1号とイタチは耐火金庫に乗って宇宙に行くのだが、すでに死んだものと思われるが幻想的に描いたのだろう。
第11話「バルンガ」
脚本 虎見邦男
特技監督 川上景司
監督 野長瀬三摩地
登場怪獣
風船怪獣バルンガ(身長:50センチメートル - 無限大、体重:不明)
土星ロケットが「燃料がゼロ!……風船が」という連結を残して謎の墜落事後をおこした。
淳は由利子を来せて墜落現場へ飛んだが、セスナの燃料タンクが空という、土星ロケットと同じ事態に遭遇したじその海上には風船が一つ揺れ動いていた。
辛くも飛行場へ着陸した淳は、すぐに一平にたずねてみると、燃料は満タンにした筈だという。
しかも、ラジエーターのところに半透明なゼラチン状で、ひも状の数本の触手をもつた奇妙な物体が発見された。
それは風船に似た生物バルンガだった。
そのバルンガは、淳たちの自動車でも発見され、ボウ脹したバルンガに破壊された事の破片で一平が重傷を負った。
淳は二十年前にバルンガを発見した、奈良丸明彦が認められず、学会からサギ師呼ばわりされ学会を去ったことを思い出し、もしや彼が学会に復讐するために放ったのではないかと考えた……。
相変わらず緊張感のない怪獣だ。
風船かよ……。
エネルギーを吸い尽くすので現実的に考えれば恐ろしいが、攻撃してくるわけでもないしただ浮いているだけだ。
いくらアイディアが貧困だったとはいえ、どうにかならんかったのか?
面白くないエピソードだが、妙に記憶に残っている。
第12話「鳥を見た」
脚本 山田正弘
特技監督 川上景司
監督 中川晴之助
登場怪獣
古代怪鳥ラルゲユウス(身長:7センチメートル - 50メートル(翼長100メートル)、体重:300グラム - 1万5千トン)
ある日、十世紀頃の古い帆船が突如として現代に姿を現わし、漁師町は大騒動になった。
帆船には巨大な鳥のつめ跡と思われるひつかき傷や「鳥を見た……」と最後に記された謎の航海日誌などが発見された。
更に帆船の中にすむ文鳥に似た小鳥が船をとび立った瞬間、ろうがとけるように帆船は沈み姿を消してしまう。
その頃、一の谷博士はなぞの小鳥がラルゲユースという古代の巨鳥の化身では ないかと推定していた。
警察は謎の小鳥を留置場に保管した。
その翌日、留置場の建て物を破って恐るべき巨大な鳥が大空に舞い上った……。
今度は手乗り文鳥かよ。
小さい時も、ラルゲユウスを小さくしたような姿だと説得力もあるが…CGもない時代だしTVドラマという限られた予算の中での制作だかは仕方ないな。
しかしこのシリーズに登場するガキは可愛げのないガキばかりだな。
終戦直後の浮浪児のようだ。
このエピソードの風圧で街が破壊されるシーンはラドンからの流用だ。