第25話 悪魔ッ子
脚本 北沢杏子
特技監督 川上景司
監督 梶田興治
登場怪獣 悪魔ッ子 リリー
原因不明の自動車事故が相次いで起った。事故にあった人たちは、極くつまらない品物を隠しもっていて、それが現場から消えると云う事態が生じた。
しかも事故の寸前に、みんな影のような白い子供をみているのだ。
魔術師赤沼がリリーに催眠術をかけ、空中を歩かせる魔術を見物した淳や由利子、一平、そして一の谷博士。
その時、一の谷博士は人体電気を利用して精神と肉体を分離させる仕掛けをさとり、もしやリリーの精神が催眠術のかけすぎから肉体と分離し、夜中にさまよい歩くのではないかと考えた。
今回は怪獣は登場しない。
普通の子供が催眠術の影響で幽体離脱して夜な夜な彷徨い歩くというものだ。
それを見たドライバーが驚き事故を起こす。
タイトルとは裏腹に、怖くもなんともない。
昔の子供は素朴だったんだな。
子役とはいえ役者雰囲気もなにもない、棒読みの素人だ。
第26話 燃えろ栄光
脚本 千束北男
特技監督 的場徹
監督 満田かずほ
登場怪獣 深海怪獣 ピーター
ノック・アウトの回をあらかじめ発表し、そのとおり相手をマットに沈めるボクサー、ジョー・相川ことダイナマイト・ジョーが出現し、その人気は対戦ごとに高まっていた。
ジョーには、ピーターとよぶペットがおり、ピーターを手に入れてから、ジョーは予言ボクサーとしてその強腕ぶりを発揮した。
人間と話すように、ジョーはピーターに話しかけ、そして次の試合の終了ラウンドを予言するのだった。
その無敵のジョーが、世界チヤンピオンを賭けての一戦を前にして、突然ピーターを連れて姿を消してしまった。
劇中ではアリゲトータスという実在の深海生物になっている。
気温の変化により巨大化し、小さい時にはメガネカイマンの子供を使用している。
このピーターは、ウルトラマンではゲスラに改造され登場している。
物語的には哀愁漂う名ストーリーだ。
第27話 206便消滅す
脚本 山浦弘靖
特技監督 川上景司
監督 梶田興治
登場怪獣 四次元怪獣 トドラ
香港を飛び発った超音速ジェット旅客機二〇六便は、一路東京に向っていたが、突如、暗雲の渦に吸いこまれて消滅した。
四次元の断層に迷い込み、なぞの空間に不時着した。
その頃、機内を出た淳たちは、なぞの氷原に住む巨大なアザラシ状の怪物に出食わした。
最後の最後まで、お得意の巨大化シリーズだ。
今回はトド。
このトドは「妖星ゴラス」のトドにヒゲをつけての流用だ。
ストーリーは良いのだが、登場怪獣がこれじゃあ情けなさ過ぎだ。
パイロットが負傷したとはいえ、どこの馬の骨ともわからない奴に操縦桿を託すか?
第28話 あけてくれ!
脚本 小山内美江子
特技監督 川上景司
監督 円谷一
登場怪獣 異次元列車
ドライブにでかけた淳と由利子の二人は、途中の路上で横たわる男をひろった。
その男、沢村正吉は意識をとりもどすと、いきなり「あけてくれ!降してくれ!」とあばれだした。
沢村の狂人めいた様子に不審をもった淳は、一の谷博士に彼をみてもらうことにした。
さっそく一の谷博士の助手本多が、催眠術療法で沢村から事情を開きだしてみた。
それによると、沢村の乗っていた電車が突然上空へ向けて走りだし、それを知ってあわてて降りようとしたが、ドアが開かなかったというのだ。
最終話。
この話は、TVでは放映されなかった。
DVDだけで観られる映像だ。
怪獣は出ないが、SFタッチで現代社会に疲れた大人にアピールするストーリーになっている。
若き日の死神博士こと、天本英世が登場している。
ここに登場する異次元列車は小田急のロマンスカーを元にしている。
ウルトラQ全28話中、怪獣らしい怪獣がでてきたのは7話だけで、後は怪獣が登場しないか巨大化だ。
怪獣ドラマというわけでもないので、いたしかたないことだろう。